医療について語ります

日本人の食生活の変化によって生じた健康問題

現代日本人は伝統的な食生活を急激に変えつつあり、その影響が様々な健康問題として表面化しています。
その内の一つが2型糖尿病患者の増加にあります。
2型糖尿病は代表的な生活習慣病の一つで、これを発症すると体全体の免疫力が落ち、様々な合併症のリスクが高まります。
特に心筋梗塞や脳卒中といった生命に関わる合併症のリスクが高まるという研究成果が次々と報告されています。
他にも神経障害や腎臓病など、生活を困難にする多くの深刻な合併症があります。
糖尿病は血糖値が慢性的に高くなる病気ですが、その主な原因は血液中の糖を吸収する際に重要な働きをするインスリンに問題が生じることです。
そしてそれは食生活が大きな影響を及ぼしています。
日本人は元々魚や野菜を中心とした食生活を長年続けてきましたが、戦後の食生活の欧米化の影響で乳製品や肉類を中心とした高カロリーの食生活へと変わってきました。
そして高カロリー食は血中のインスリンの働きを悪くすることで知られています。
つまり、糖尿病患者が増加している背景には食生活の変化が関係しています。
食生活の変化によって増加していると考えられる問題は、糖尿病だけではありません。
高カロリー食を過剰に食べるようになったことで、メタボリックシンドロームによる健康問題も近年急激に増えています。
これは高血糖、高血圧、内蔵脂肪型肥満症、脂質異常症のうちの2つ以上を併発している状態のことで、動脈硬化などのリスクが極めて高くなります。
食事が健康に影響を与えるのは、このような明確な健康問題だけではありません。
食生活の変化による必要な栄養素の不足は、人間の知的能力にも影響をあたえることが研究でわかっています。
たとえば鰯や秋刀魚や鯖といった青魚に多く含まれているDHA(ドコサヘキサエン酸)は、その摂取量が不足すると知的能力を低下させることが研究によって判明しています。
このように日本人の食生活の変化が様々な問題を引き起こしているという現状があります。